オレンジ定食

ネチネチ星人のフルコース

【雑記】映画「きょうのできごと」

山田:あれ、壁に挟まれた奴どうなったんや

正道:え、なに今日、そんな奴もおったん?

山田:うん、壁に挟まれて動かれへんようになってん。ごっつおもろかったで。

正道:俺らが知らへんうちに色んなとこで、色んなことが起きてるんやなあ。

映画「きょうのできごと」から抜粋

 

どうもお久しぶりです。  

最近お近くのノース朝鮮さんが弾道ミサイルなり核爆弾なりをしていて、『ミサイルが上空を通過してます』ってテレビで放送されてる時、全く持って生きてる心地がしなかった。

 

さて先日高校の友達が1年アイルランドに行くって言ってて、出国前日にスーパー銭湯に行きました。行って思ったのは、高校の頃ふざけてしかいなかった友達同士と比較的真面目な話をするのが凄く面白かったです。

(というのも高校の頃は誰が一番怖い先生の授業受けながらお尻出していられるかとか、授業さぼって屋上でずっと空見てたりとか、どこの棟の階段からだとパンツが見えるとか、よく分からんことばっかしていた)

 

そんな友達の一人が

 海外1年も行くんだから、どうせなら感無量だった。と言えるような1年を過ごしてきてな。

と。感無量と言える1年かあ。俺の日常には程遠い言葉である。

  

まあ、知らない人に出会い、母国語でない言葉で人と繋がりにいかないといけないって、想像するだけで自分は億劫ですし、その友達を尊敬します。(いや、尊敬はしてないな。いや、尊敬するとこもあるけど大半は尊敬出来ない)

 

とまあ、なんやかんやでそのスーパー銭湯に行った日、銭湯に行く数時間前に銭湯に行くことが決まって、深夜に集まって、スーパー銭湯に行ってお風呂で話したり、銭湯の帰りに寄ったコンビニで食べるカップ麺の不可思議とも言える美味しさだったり、車の中で喋るほんと些細なことだったりが、凄く、楽しかったんです。

 

それで、思い出したのが、上記の映画、「きょうのできごと」です。(前フリが長いんや)

 

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京都の大学院に進学する正道(柏原収史)の引越祝いに集まった仲間たち。恋人の真紀(田中麗奈)、親友のけいと(伊藤歩)と共に訪れた中沢(妻夫木聡。そんなごくありふれた「大学生たちの一日」を描きながら、それぞれの登場人物に焦点をあてて、代わる代わる断片的にエピソードが展開されていく。 

 

のんびりとした雰囲気なので好みは別れますが僕は単純にこの映画が好きです。

共感することも多いからですかね。『こんなやついたわあ』と思ったり。

飲み会中盤戦でいきなり『髪の毛切るよ』とか言い出して、数人の男子が髪を切られるところで共感したり。(僕も友達の家でハリーポッター観るために行ったのにいつのまにか自分の髪の毛をノリで切られ、かつワックスかけられるという始末。)

帰りのSAの自動販売機で缶コーヒーを買って友達と談笑したり。

本当に久々に会った友達と道端で会って、連絡先とかも交換したのに、相手の名前を思い出せないでいたり。

いきなり『これから蟹食いに行かね?』とか言い出して、深夜に車で蟹食いに行ったり。

宅飲みでお酒が足りなくなり、近くのコンビニまでチャリで行った帰りに車に轢かれてそのまま轢き逃げされたり。

 

そんな、無計画で生きてた無意味ともいえる生活が今思うととても愛おしいなと思いました。

 

おっぱい。

 

 ps.ラストの新聞読みながら彼氏を待つシーン、最高に良いよね。

 

pps.amazonレビュアーさんのレビューが最高なので引用します

 若い人の多くはこの映画が「何も起きない一日」「淡々とした日常」を描いていると評しているようですね。しかし40歳を過ぎた私には、この映画は決してありふれた一日を描いているようには見えません。
 サラリーマンとしての日々を送るうちにいつしか、周到な準備や綿密な計画を立てずに一日を過ごすことが許されない人生を歩むようになりました。

 この映画の中に出てくる若者たちのように、突然髪を切ったり、深夜にカニを食べに出かけたり、友人を置いて恋人のもとへ走って戻ったり、約束を交わしたわけでもないのに彼氏が来るのを早朝の玄関先で新聞を読みふけりながら待ってみたりする日々は今の私にはありません。

 そんな私もかつて若かったころ、友人たちと思いつきで集まったものです。そして、酒を酌み交わしたり、旅に出たり、深夜に星空をずっと眺め続けたりしたものです。それは事前に計算をしつくした上での計画的な企てではありません。後先を深慮することのない、有り余るほどの無為な時間ともいうべきものです。駆け引きや損得勘定とは無縁な友との間に無意識に、そして時に無意味に流れる時間。そんな無為な時間こそが、人間を確かに育んでいく時期が人生にはあります。そしてそのありふれた日々はやがてかけがえのない日々へと変わるはずです。